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虚人のつぶやき
アニメ・漫画・小説などのレビューを中心に自分の好きなものを自分勝手に熱く「語る」ブログ。
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虚野 仁

Author:虚野 仁
虚構のことで人生がいっぱいいっぱいな人。「現実」に帰るのはいつの日なのだろう。
上の自画像は暫定版なので、変更ありです。



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フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人 佐藤友哉著
風邪気味でちょっぴり辛い虚野です。
虚野は警備の仕事をして糊口をしのいでるのですが、一昨日の夕方から朝方まで車道で働く警備員人形(腕のみ光って動く奴です)を歩道から正常作動しているかどうか黙々と監視し続けるというシュールレアリスム感溢れる仕事を結構な寒さの中行っていたため、精神肉体ともに疲弊気味です。
本気で転職を考え始めつつある今日この頃。

今日の小説レビューで取り上げるのはかなりぶっ壊れていてダークなオーラを放っている「フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人」です。
4061821962フリッカー式―鏡公彦にうってつけの殺人
佐藤 友哉

講談社 2001-07
売り上げランキング : 8,216

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妹が死んだ。自殺だった、と僕のイカれた家族は云うが。そして現れた男。手にはビデオ。内容は妹のレイプ中継。渡されたのはレイプ魔どもの愛娘達の克明すぎる行動表。こうされちゃあ、する事は一つ。これが自然な思考だね。そして僕は、少女達の捕獲を開始した。その果てに…、こんな馬鹿げた世界が用意されているなんて知りもせず。



今回のあらすじはコピペしたものです。いつもは一々作ってたんですがちょっと今回は面倒だったもので。ただこのあらすじだけではこの物語の主要な縦軸を紹介し切れていませんね。この愛する妹をレイプされた筋金入りのシスコン男・鏡公彦の話とともにその幼馴染にして巷で噂の殺人鬼・突き刺しジャックの犯行の一部始終を幻視してしまう少女・明日見の話がこの小説を形作っています。


この小説、あらすじを読んでももらえれば分かるかと思いますがかなり陰鬱な小説です。何故陰鬱なのかというと登場人物の行動原理が皆壊れているんですよね。妹がレイプされ自殺させられてしまった、それならばそのレイプ犯たちを告発するよう努力すればいいものを、奴らの愛娘を捕獲して同じ目にあわせてやる!という結論に達する主人公の思考回路。………救いようが無いです。でもその救いようの無さに僕などは惹かれてしまいます。アニメのような基本的に善悪のはっきりした物語を好む人々が読めば、普通の人が読むよりも何倍もこの小説の毒を味わえると思います。
さらにいうならこの小説は多分にライトノベル的な小説です。いやライトノベルとはっきり言い切ってしまってもいいかもしれません。一応ミステリとして出回っている小説なのですが、ミステリ好きを自負する人が見れば噴飯ものの設定・解決がかなり含有されております。漫画を読むような気持ちで読めば素直に楽しむことができるのではないかな。


壊れているのは登場人物の人格だけではありません。この小説のあり方、それ自体もかなり壊れています。ライトノベル的、様々なジャンルのごたまぜな小説であり、それだけではなく物語を語る上での基本的な事柄、主人公が主人公たるために必要な物語の動力となる心、物語全体を包含するような一つのテーマ性、そんなものも物語が進むにつれて壊れていきます。美少女アニメも冒険漫画も純文学も同時に受容することのできる今という時代にふさわしい、前回に紹介した滝本氏と同じような意味合いで今日的な小説であり作家であると僕は思います。


この小説の作者である佐藤友哉なのですが、僕はかなりのオタ、もしくはオタク的な趣味に必要以上のの造詣のある人と見ました。だって、でなければ小説中に「ななか6/17」とか「鎧伝サムライトルーパー」なんて引用できませんよ!(これが出てくるのは今回レビューしているフリッカー式ではありませんが)文体も一人称でなんとなくエロゲっぽいです。で、そんな人の書いた妹レイプ犯復讐小説。さらにラストでその物語の枠組みもぶち壊されるます。
なので、僕はこれ以上ないほど綿密に作られた対妹萌え人間用性癖矯正小説としてこの小説を楽しませてもらいました。実際妹萌えな人間が主人公の妹・佐奈を自分の大好きな妹キャラと意識的に混同しながらこの小説を読めば、身を切られるような苦しみを味わえるのではないかなあと思います。しばらく鬱~な気分が持続して、思い出すたび死にたくなる、なんて素敵な精神状態に成れるのではないかな。



僕は妹萌えではないですが、自意識過剰かつニューロティックな始末に置けない精神の持ち主なのでかなり気持ち悪くなれました。萌え萌えし過ぎで、脳内が異様なまでに過激なピンク色になってしまっている人にこそお薦めしたい一作です。
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テーマ:ブックレビュー - ジャンル:小説・文学


この記事に対するコメント

虚野さん、お疲れ様です。アルバイトめちゃめちゃシュールですね!僕も一回経験してみたいわ~。
多分、最初は物凄く奇妙なテンションで仕事に臨み、途中から自分のしている仕事の意味とか考え出して、それから自分について考え出したりして、最後には何も考えなくなってルーティンワークのように仕事をするようになってしまうことでしょう。メチャメチャ自分のアイデンティティーが希薄になる時間なんじゃ?貴重な経験だと思いますよ。僕的に羨ましい。


作品の方ですが、これは高校の時のアレに紹介されていた本ですね!う~ん読みたい。。
僕は妹属性ではないのですが、妹的要素は結構好きだと思います。
それだけに破壊力抜群の作品かと。
脳内ピンク色ですし。
僕は普通の作品しか読んだこと無いと思うので(全然文字と接していないんですよ…)、レヴューにあるような壊れた作品と言うのに興味をそそられます。


人のレヴューって恐ろしいですね。読む度に、やりたいことがどんどん増える。
【2005/11/03 21:06】 URL | ☆武士 #- [ 編集]


☆武士さんの予想は当たっていますよ。僕が正にそうでした。で、現在アイデンティティが希薄になってしまってるわけです。後、滝本竜彦著の小説版「N・H・Kにようこそ!」で引きこもりの佐藤君が最終的になるのが警備員なんですよね。そんなことも考えると、やっぱりこの仕事精神衛生上よろしくないのかも。

作品の方の指摘もそうのとおりです。僕の高校時代最大の汚点で引用した小説がこいつです。あの時書いたことはこの小説を読んで鬱っていた時に考えたことが基本になっております。
やっぱり僕も脳内がピンク色ですので破壊力抜群でした。結構昔に出た本なので古書店とかあされば百円ぐらいで購入できるかと。と、も一回お薦めしときます。
【2005/11/04 19:02】 URL | 虚野 仁 #- [ 編集]


ウチの大学の生協で、平積みで売り出しているのを見かけましたw
私も今度読んでみたいですー(≧o≦)
【2005/11/09 22:33】 URL | 月草 #- [ 編集]


こんな黒いアングラ風味な小説を平積みですか。何かいい感じの生協ですね。

えー、お二人とも良かったら僕がお貸ししますよ。違う良さ気な小説も何冊か見繕って。実際に会うこともそんなに多くないですが、まあ興味があったら気軽にメールでもしてやってください。基本的に暇なので。
【2005/11/10 08:35】 URL | 虚野 仁 #- [ 編集]


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